1990年代末から日本は今までなかったゼロ金利政策をとった。さらに2001年より量的緩和政策を実行した。であるにもかかわらず、日本の経済は流動性とデフレの罠に陥った。これらの政策は信用秩序、金融システムの安定や景気と物価に対する効果を実証研究によって、金融緩和政策の有効性に重要な例かつ経済学にとって有意義である。本稿は主に2006年3月金融緩和政策の解除までのデータを用い、各研究者の実証結果を分析、整理した上で、その有効性を検証する。それに政策スタンスをゼロ金利と量的な金融緩和政策に分けて、それぞれの効果を評価する。特に量的な緩和に焦点として検視することである。総じて、ゼロ金利政策は、不良債権の先送りと企業のバランス・シート調整の遅れなどで、景気刺激効果はほとんどなかった。一方、量的緩和政策は金融機関の破綻を回避し、金融システム不安の広がりを防ぐことができたので、信用秩序維持政策効果があった。