時代の進展とともに科学技術の発達は脳の研究に大いに寄与した。今や脳科学は時代の先端を行くものとして巷にあふれている。それに伴って第二言語の学習も盛んになり、日本では20世紀後半から始められた英語教育は、21世紀には速読‧音読‧速聴などに英語教育は傾倒した。本論文では日本語教育に音読を取り入れ、それを如何に教学に取り込むかを探求したものである。まず言語と脳の関係を簡単に説明し、次いで各言語のパスバンドと発音・アクセントの関係、実地に教学に応用できるシャドーイング、音読と第二言語習得の効果、それが如何に脳の活性化につながり、またそれが如何に短期記憶から長期記憶へと移転するのかをつぶさに考察し、最後に其の教授法を筆者なりに述べたもので、それと言うのも二年前から筆者が始めた授業での音読の効果が逐次期待できるものとして表れてきた。それを読者諸氏の参考に供したいためである。