若者の「生きる力」の育成を目指して多くの大学が教室外の体験型学習プログラムを取り入れるようになり、体験を通じた学生の成長に関する報告が聞かれるようになった。一方、プログラムに指導者として参加する教師の成長に注目した研究や報告はあまり見られない。本稿は、学生主体の体験型プログラムに指導者の立場で参加する教師の成長過程の具体像を捉えることを目的とした事例研究である。体験型プログラムに指導者として継続的に参加している教師Aのインタビュー発話を、成人の学習論の枠組みで分析した結果、教師Aは5年間の指導者体験の中で、自身の中の準拠枠に気づく、学生との関係性を見直す、既存の準拠枠の有効性を再確認するなどを通じて3回の準拠枠の見直しとそれに伴う教師アイデンティティの修正を行っていることがわかった。また、これら教師アイデンティティの変容過程は、成人の学習理論が成長過程とする「葛藤⇒自身の前提への批判的省察による新たな役割への探求⇒自らの生きる方向性の回復」という認識変容の流れを基本に有しつつも、そのプロセスは単一の方向性を持つものではなく、文脈に依存した個別で多様なものであることも示唆された。
以培育年輕世代之「生存能力」為目標,許多大學導入教室外體驗型之學習活動,亦有許多關於學生透過體驗而成長之報告。但尚少見聚焦於作為指導者參與活動之教師成長的研究或報告。本文即為探討處於指導者立場參與學生主體體驗型活動之教師,其實際上之成長過程的案例研究。藉由成人學習論之架構,分析作為指導者持續參與體驗型活動之教師A的訪談內容,得知教師A在長達五年之指導者的體驗中,透過體認到自身之準據架構、重新檢視與學生之關係性、重新確認既有之準據架構的有效性,進行了三次重新檢視準據架構、並隨之修正了教師認同。又,觀察此等教師認同之變化過程可知,其基本上仍具有認知變化的流程(即成人學習理論就「糾葛→由對以自身為前提之批判性省察朝向追尋新角色→自我生存之方向性的回復」之成長過程),同時亦啟示了其過程並非僅具有單一的方向性,而是具有依存於其脈絡之個別且多樣性的變化。