TAEとはThinking At the Edgeの略称で、アメリカの哲学者ユージン•ジェンドリン(Eugene. T. Gendlin)と夫人が開発した思考法である。TAEとは「からだの感じ」、「フェルトセンス(felt sense)」を出発点として、そこから14ステップを経て丁寧に言葉を表現していく過程を重視するものである。言語教育には第一言語教育はもちろん、第二言語教育、外国語教育にも応用できる方法である。特に、「ことば」の符号の認知•記憶に重点が置かれる外国語教育の落とし穴を補うことのできる方法として提唱されている。つまり従来の教育では無視されてきた「自分は何を表現したいのか」に注意を向ける機会を作る指導法で、身体感覚を伴って使用される状況と共に導入する考案である。筆者は研究グループを作り、理論を生かした実践研究をシェアリングしながら進めている。一年間「読解教育」における展開を紹介すると共に、学習者からのフィードバックと振り返りに基づいて教育成果検証の一手法として紹介する。日本語教育実践における今後の応用の可能性を探っていく。