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太宰治「佳日」論―〈禿げ〉を一視点として

摘要


太宰治の「佳日」は、昭和19年(1944)1月『改造』で発表された短編小説であり、8月には肇書店より同名作品集『佳日』が刊行された。後に、東宝映画会社からの「佳日」映画化の申し入れを受け、太宰は脚本家八木隆一郎らと熱田山王ホテルにこもり脚色し、1944年9月に「四つの結婚」というタイトルで「映画」が公開されたのである。小説「佳日」は、語り手「私」の大学時代の友人である大隈忠太郎の結婚話を通し、長女の婿が戦死、次女の婿が出征中という状況下の縁談相手の家、小坂家を「名誉の家」として持ち上げ、特に家を守る小坂家の姉妹たちを戦時下の理想的な妻像として描かれた作品である。ところが、作中時局に関わる描写が随所散見され、国策小説と思われてきた「佳日」の中で、大隈忠太郎の〈禿げ〉具合が「私」の饒舌な口調で頻りに語られているのである。ここでは、語り手「私」の語り方に焦点をあてながら、作中に見られる〈禿げ〉をめぐる描写に注目し、「佳日」に新たな読みを提示してみたい。

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