漆原友紀のマンガ『蟲師』「籠のなか」における異類婚姻譚の構造とモチーフの分析

漆原友紀漫畫《蟲師》「籠之內」篇關於異類婚姻譚的構造與主題之分析｜Analysis of the Structure and Motif of Heterogeneous Marriage Tales in ＂Inside the Cage＂, One Episodeof the Manga Series, Mushishi, Produced by Yuki Urushibara

沈美雪(Shen Mei-Hsueh)

《銘傳日本語教育》 21期 (2018/10) Pp. 47-76

摘要

「異類婚姻譚」は昔話によく見られるテーマの一つである。そして、それは昔話に限らず、現代においても、さまざまなジャンルの分野において描き続けられている。では、われわれ人間が、人間以外の生き物との交流や結婚を描きたいという文芸的欲求は、どこから来たものなのか。その答えを求めると、異類に対する好奇心や嫌悪感、そして時には、不思議で神秘な力に対する憧れや恐怖などといったものが、「異類婚」という形態を介して、創造という行為において表出されたといったものになろう。漆原友紀の代表作である『蟲師』は、マンガ関連の賞を数多く受けた作品である。その第4巻には、同作で唯一、異類婚をテーマとした「籠のなか」が収録されており、異類婚に関するモチーフを多く内包しつつ、決してパターンに流されない話の展開を見せてくれるものとなっている。本論は、昔話に通底する普遍的なモチーフが、優れた現代マンガ作品にどのように投影され、そこで新しさを獲得したのかを、「籠のなか」の分析を通して確認するものである。そして、本論の分析対象は、『蟲師』という作品が語ろうとする、厳しくも美しい大自然の中で人間がどう生きるべきかという命題について、蟲という異類との関わり方を描くことを通して、現在に生きるわれわれに何らかを考えさせてくれるであろう、文芸性の豊かな作品を構成するものであることも、結論の一つとして示したい

關鍵字

異類婚 ； 漆原友紀 ； 『蟲師』 ； 「籠のなか」 ； マンガ

並列摘要

「異類婚姻譚」是日本昔話中常見的主題之一。而不僅限於昔話，異類婚的描述在現代亦常出現在各式的藝術表現中。我們人類想要描寫與異類間的交流、婚姻等文藝的慾望是從何而來？若追尋此一答案，對於異類的好奇心、厭惡感，有時又會對其不可思議的力量感到憧憬及恐懼，這些感覺透過「異類婚」的型態，而以創作這種行為表現出來。漆原友紀的代表作《蟲師》得過許多漫畫相關的獎項。而在第4集中收錄了本作唯一一篇以異類婚為主題的短篇「籠之內」，劇情內含許多關於異類婚常見的主題，但故事情節的發展卻不會流於固定形式。本論文透過「籠之內」，確認了昔話常見的普遍主題是如何被投影在現代的優秀漫畫作品中，並獲得了新的闡述方式。並且，本論的分析對象《蟲師》這部作品透過描寫人與異類=「蟲」的相處方式，讓生活於現代的我們思考在既嚴酷又美麗的大自然中人類該如何生存的這個命題；同時亦透過「籠之內」的分析，驗證《蟲師》是一部富有文藝性的作品，並以此做為本研究的結論之一。｜The heterogeneous marriage one of the common motifs in Japanese old tales. Moreover, it was depicted not only in the old tales but also in various fields in the modern times. Mushishiis Yuki Urushihara's masterpiece which received many awards related to manga. Episode 4 ＂Inside the Cage＂ is the only one about the heterogeneous marriage. It includes many common motifs regarding the heterogeneous marriage but the plot doesn't get stuck into a rut. This research analyzed ＂Inside the Cage＂ to confirm how the universal motif in the old tales was in the outstanding contemporary manga and got new depictions. Therefore, through the way of the description about human beings' getting along with Mushi which means different species, Mushishi makes us who live in the modern times ponder how to live under the beautiful but strict nature. Meanwhile, by analyzing ＂Inside the Cage＂. Mushishiproves to be a work full of literary art and that is one of the conclusion of the research at the same time.

並列關鍵字

異類婚 ； 漆原友紀 ； 《蟲師》 ； 「籠之內」 ； 漫畫｜heterogeneous marriage ； Yuki Urushibara ； Mushishi ； ＂Inside the Gage＂ ； Manga

參考文獻

小松和彦編(1985)。日本昔話研究集成 I。名著出版。

稲田浩二編、小澤俊夫編(1977)。日本昔話通観。同朋?。

ウラジーミル・プロップ、北岡城司訳、福田美智代訳(1983)。昔話の形態学。白馬書房。

奥村英司(2007)。隻眼の主人公―『蟲師』「眇の魚」を読む―。鶴見大学紀要。44(1)

小澤俊夫(1986)。モティーフ論。口承文藝研究。9