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柳田国男『日本昔話集(上)』の基幹語彙

摘要


本稿は、日本昔話を読むための基本語彙を構築する土台作りとして、語の頻度および各物語との依存範囲からあぶり出した『日本昔話集(上)』(1930年、アルス社)の基幹語彙に、どのような性格が見られるのかを、意味分類を通して意味的分布を明らかにすることによってその語彙特性の一側面として把握しようとするものである。 その結果は、以下のようにまとめてみる。 1.抽象的関係を表す語の割合が42.55%にも達しているのに対し、「人間活動(精神•行為)」を表す語の割合は22.04%しかない。これを「日本語教育のための基本語彙表」(1984年)の意味構成と照らし合わせてみると、基本的な語彙性格が濃いと見受けられよう。 2.基幹語彙1107語を上位から一○○、二○○、二○○、二○○、二○○、二○七と六組に分けて眺めてみると、依然として抽象的な関係の語は次第に減少の傾向にある。これは、「柳田昔話基幹」を基本的な語彙性格とさせる裏づけとして考えられよう。 3.「自然現象」及び「人間活動の主体」分野の割合は、『分類語彙表』のそれより高く、格別な様相を見せている点で注目され、特徴のある意味分野として指摘できよう。 4.動物、植物を表す語が特に豊富で、「自然現象」を特徴づける意味分野として指摘できる要因の一つと言えよう。 5.「英語、芝居」といった「言語、芸術」の項目を表す語がそれほど豊富ではなく、語彙特徴の一つとして捉えられよう。 これによって日本昔話の語彙性格の究明及び基本語彙の整理に資し、日本語教育への応用に繋がることとなれば幸いである。

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