1950年代後半から始まり70年代にまで及んだ日本経済の高度成長期時代に、日本人の生活習慣の変化と共に日本における食生活は大きく変貌を遂げてきた。そして、その後の安定成長からバブル経済の崩壊を経て、さらに、食生活は大きく変貌した。その中にあって、食品工業においてもその提供商品の内容、形態、加工度、物流、賞味においてその時代背景をもって技術的課題とし、商品設計に反映した形で顧客のもとに最適商品として届けられた。まず世帯における家族構成についてであるが、三世代にわたる大家族制から二世代に中心がシフトし、さらに最近では単身世帯の急増が研著となっている。よって、世帯の構成も主に夫が働き、主婦が家事をまかなうという形態から、主婦の社会進出を経て、子供達の独立世帯化、さらには婚姻の晩婚化をもたらし、食卓を囲んだ団革の形態も大きく変貌を遂げてしまった現状がある.それに伴い、食の提供方法は家庭内でも大きく変化したが、食品ビジネスも家庭内食中心の事業から外食市場を拡大させながら家庭外食-とシフトし、さらには中食と呼ばれる新市場を急激に拡大させてきた。ここで言うところの中食とは、調理が家庭外で行われ実際の食事が家庭内で行われる惣菜類の提供を中心としたビジネスをいうものである。その中食市場が今後の食ビジネスにおいて大きな役割を果たす事となるのである。