朴裕河「帝国の慰安婦」は日本人と同じく、朝鮮人「慰安婦」は日本軍の戦争遂行を助ける愛国的存在であり、朝鮮人「慰安婦」たちには日本軍への同志意識があったと書いている。こうした「帝国の慰安婦」論に異議申し立てをする九人の日本軍性奴隸制被害者があらわれた。2014年6月16日に、「帝国の慰安婦」の記述が名誉毀損にあたるとして民事上の損害賠償と出版禁止を求めて裁判を起し、あわせて刑事上の名誉毀損罪で告訴した。2017年10月30日ソウル高裁が有罪判決を下した。名誉毀損の意図を認定した。本稿では「帝国の慰安婦」で朴裕河が何を主張しているかを明らかにすることである。