透過您的圖書館登入
IP:18.218.127.141
  • 會議論文
  • OpenAccess

中山可穂『白い薔薇の淵まで』論

摘要


中山可穂は1993年のデビュー以来、女性同性愛を扱った作品を発表しつづけ、自身がレズビアンであることを公表している作家である。その代表作の一つである『白い薔薇の淵まで』は本屋で偶然に出会った小説家と「わたし」の性愛を含む関係、出会いと別離を描いた小説である。全体に渡り、「記憶」やその反復、記憶の形式化としての「小説」、そして〈他者〉との関係についての問題がちりばめられ、単にジェンダーやセクシュアリティの問題にとどまらない問いを内包されている。本論ではその読解に、ジュディス・バトラーの主体化および倫理に関する議論、特に〈他者〉との関係を中心に据えている『自分自身を説明すること』における議論を枠組みとして用いる。バトラーは、主体と〈他者〉を常に自同たらしめるように強いる「倫理的暴力」に抗するために、その暴力を宙吊りの状態に停止させること、そしてその掛金として自分自身を説明することの不透明さないしは「失敗」をエマニュエル・レヴィナスの論じる〈他者〉の問題へと接続している。『白い薔薇の淵まで』に内包された問い、単に作家自身のアイデンティティや、セクシュアリティ/ジェンダーの枠にとどまらないそれを、倫理の問題、〈他者〉との関係の問題として捉え展開し、問い直すことを本論の目的としたい。

關鍵字

無資料

延伸閱讀