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台灣日語教育學報

台灣日語教育學會,正常發行

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  • 期刊

近年、台湾における日本語学習者数は以前のような増加傾向を見せなくなった。そのような変化をもたらす原因の1つに韓国ブームの影響があるという説がある。本稿は台湾における日本語学習者数の変化と韓流ブームとの関係を検討する。研究は(インタビューを含む)質的な調査と、量的な調査(アンケート調査)の両面から進めた。質問の内容は先行文献を参考にして作成した。台湾人が日韓両国の何に興味を感じるか、についての質問等が含まれる。質的な調査の対象は韓国語を勉強したことがある人または勉強したい人計11人である。量的な調査は日韓両国の言葉などを含む17項目のそれぞれに対して興味を感じる程度(5件法)の調査である。このような調査の結果、台湾人は韓国より日本に対して興味を感じる範囲が広いのみならず程度も高く、相関分析で韓国(語)に対する興味が日本(語)に対する興味と負の相関にあることが分かった。韓国語教材や教師が十分そろっているわけではないことから、韓国語学習のブームはそう長く続かないだろうとも予想されている。しかし、もし(親や友達の意見、学校で開講されている授業科目などの)外的な制限がなく、自主的に決められるのであればどんな外国語を学びたいか、という問いに対する回答の上位3位が日本語、韓国語、英語となっており、韓国語学習者増の傾向を完全に否定することはできない。

  • 期刊

本研究では、教師が誤用を修正するのに最も多用するフィードバックであるリキャストの効果をどのように向上させるのかに焦点を当てる。73名の調査対象者を一般的なリキャストが与えられるリキャスト群、リキャストのイントネーションを強調したリキャスト強化群と一般的なリキャストに文法説明を加入する文法説明群に分け、非現場指示を調査言語項目として調査を行った。指導の効果は誤用訂正テストと文法性判断テストを使用し、事前・事後・遅延テストを行い測定した。その結果、全体的に文法説明群の優位が確認された。リキャストに明示的な文法説明を加えることは、学習者の注意が目標言語項目に向き、リキャストの指導効果を促進させる可能性が示唆された。

  • 期刊

筆者は、長年、日本語作文授業に携わっており、「読者不在」「文章構成力の欠如」「推敲での成果を学習者間で十分に共有できない」といった問題を解決すべく、「ピア・レスポンス」を導入した教育実践研究を行ってきた。一方、教師として、日本語作文授業において、「何のために“決めた・決められた”題材について書かせたのか」や「授業を通してどのような日本語人材・能力を育成したいのか」などの点を、自分自身に問いかけるようにもなった。そこで、社会に求められている日本語人材とは何かを検討するようになり、それに見合う日本語人材を育成するためには、クリティカル・リテラシーの養成が重要な課題の一つだと考えた。そこで、このクリティカル・リテラシーの育成を具現化すべく、「日本語作文(3)(4)」に「課題解決型」教授法を導入することを試み、その題材として、台湾において社会現象の一つに挙げられよう、作家・村上春樹氏の造語である「小確幸」を取り上げた。その結果、自分たちを取り巻く社会現象や問題を学習者に意識させ、その社会現象や問題に関する情報を収集、分析することにより、そこに潜んでいる問題点の本質を明らかにした上で、周囲に対して問題を提起したりその解決法を探索したりできる可能性が見いだされたものである。

  • 期刊

本稿では「対日交流」の指導方法を具体化させるために台湾人日本語学習者と訪台日本人研修団の交流状況について話題、期待、不安、魅力、葛藤、場面、困難、表現の8つの面に注目して分析した。日本人台湾研修団とは、試合と見学のため台湾を訪れた日本人学生野球チームと、台湾の大学で行われたワークショップに参加した大学生団体のことを指す。調査の方法は上級レベルと思われる103名の台湾人日本語学習者を対象とした記述式調査とそれに基づくフォローアップインタビューである。結果は次の3点にまとめられる。(1)上記の8つの項目に見られた記述は今後対日交流の指導及びシラバスの設計で貴重な参考となる。(2)枠組レベル(語彙文法、発話構成)の指導については、台湾ならではの神・人・事・物が紹介できるような語彙と表現を授業に計画的で具体的に導入すべきである。(3)談話レベル(問題処理、社会言語、円滑的コミュニケーション)の指導については、問題処理能力の面では、相手の意見を尊重しながら論理的な反論により自分の考え方を伝える訓練が必要である。社会言語能力の面では、自国文化・歴史・現勢に対する気付きと感性を養うべきである。円滑的なコミュニケーション能力の面では、日本のお笑い芸能を題材として学習者のユーモアの発話力を訓練することと、学習者たちに交流前の準備・シミュレーション、交流中の記録、交流後の反省をしてもらうことを主張する。

  • 期刊

筆者が勤めている大学の日本語学科では2014学年度からマンガ・アニメを主な素材とした「動漫日語」という科目が設けられた。日本のアニメやマンガといっても、その量はあまりにも膨大で、ジャンルによって内容も千差万別である。どのような作品を取り上げるのかは、授業デザインにおいて難しい課題である。よって、本稿では、シラバス・デザイン、特に素材の選別を中心に述べることにする。先行研究では一つの作品を中心に掘り下げていく試みが多い中、本コースでは、幅広く色々なジャンルの作品を取り入れることを目標とした。そして素材を選別する際に筆者が特に留意している点として次のようなポイントが挙げられる。(1)マンガよりも映像や音声が付くアニメを優先する。(2)アニメの長さに関しては30分から60分構成の話、或は一話分か二話分(30分~60分)を切り出して見ることができる作品を中心とした。(3)生活マンガや学園ものマンガは日常会話の宝庫であり、教材として取り入れるのに適している。

  • 期刊

現代の日本語教育では文字教材だけでなく、音声、映像を利用する教授法も考えられる。映像や図形によるビューイングは聴解、読解、発話、書写と同じように重要な教育領域である。文字だけの教材は思考力育成の訓練に役立つが、映像や音声を加えた動画教材は内容が理解しやすいと思われる。一般的に言えば、台湾の日本語教育では文学作品は文学専門の授業の教材だと決め付けられることもあるので、文学の授業でないと教材としての文学作品利用はあまり聞かれない。しかし、大学生なので普通の教材による文法‧文型中心に限る日本語学習だけではなく、異文化交流能力育成の視点から、日本語学習とともに文化理解を伴う日本語文学作品鑑賞も重要だと思われる。特に映画化された小説の場合、言語学者R・ヤコブソン(1959)の記号間翻訳の観点から考察することもでき、文字だけに頼る教材よりもっと効果が上がると思われる。本稿では『ノルウェイの森』の小説とその映画化されたものを考察し、日本語教育教材としての村上春樹の可能性を考えたいものである。

  • 期刊

中国語話者にとって、日本語の破裂音の習得が困難であることはよく指摘されている。台湾の日本語学習者における破裂音の有声・無声の弁別について明らかにするため、破裂音の聴取実験を行った。聴取実験は学習レベルにより分けられた80名の台湾人学習者に、破裂音が含まれた単語を聞かせ、有声か無声かを判断してもらうものである。その結果は以下のようにまとめられる。破裂音の有声性の弁別において、1)語中位置はもっとも重要な要因である。2)子音種は影響を与えないものと見られる。3)破裂音の音節が1つある場合ではN3を境に学習レベルによる差があるが、破裂音の音節が2つある場合では学習レベルによる差が見られない。4)破裂音の音節数は影響を与えるものではない5)学習者の聴取問題は決まった誤聴パターンに集中している。

  • 期刊

日本語には再帰構文が存在することが指摘されている一方、再帰構文という構文の種類を立てる必要がないという主張もある。また、前者の研究では再帰構文に対する定義も一致していない。本稿では典型的な再帰構文、つまり、ガ格名詞が[+人間]という属性を持つ再帰構文におけるガ格名詞とヲ格名詞との間の所有関係を所有傾斜で規定した。また、ガ格名詞が[-人間]を表す文の中に、典型的な再帰構文から拡張されたと思われる文があるが、それらの拡張文において所有の概念がどのように変わるかを考察した。先行研究の中に再帰構文の範囲を広く規定し、「状態変化主体の他動詞文」「介在性の他動詞文」を再帰構文に入れる研究がある。本稿は、ガ格名詞の文中における意味役割及び、ガ格名詞とヲ格名詞との間の所有関係から再帰構文が「状態変化主体の他動詞文」「介在性の他動詞文」と性質が異なることを明らかにした。以上の考察により、日本語における再帰構文の定義と範囲が明確になるが、再帰構文に構文論的カテゴリーとしての地位を与えるべきことが論じられた。

  • 期刊

本研究では、日本語専攻の大学一年生が日本語の発音学習に関してどのようなビリーフを持っているかをアンケート調査により明らかにした。調査はHorwitz(1985,1987,1988)が開発したBALLIを基に作成した22項目である。また、学習ビリーフと性別、入学前の日本語学習歴、成績の高低と関連があるかどうかを調査・検証した。今回の調査によって分かった平均値が最も高い数値を示したビリーフは「正しい発音のためには日本語をたくさん聞いたり話したりすることが重要」である。また、ほとんどの学習ビリーフと学業成績とは関連性がないことが明らかになった。なお、学習者が発音の習得に対してどのように感じているのかについて、〈日本語の発音学習への気づき・積極的態度〉、〈日本語の発音に対する不安とあきらめ〉、〈日本語の発音の自信のなさ〉、〈日本語発音へのネガティブな参加〉の4因子から構成されていることが明らかになった。したがって、学習者のビリーフを調査しながら、より適切な教育法を取り入れたり、よりよい学習環境や学習プログラムを提供したりしていくよう、日本語教師側も検討する必要がある。

  • 期刊

本稿における「主張」とは、文章の話題に対する書き手の意見が表されている文で、意見文に必須の要素である。本稿では、日本語母語話者と台湾人中級学習者および上級学習者の意見文を比較分析し、台湾の中級と上級の日本語学習者の「主張」の文末表現使用の傾向や特徴を明らかにすることを試みた。分析の結果、次のことが明らかになった。(1)中級学習者と上級学習者はいずれも意見述べで「思う」を多用する傾向がある。(2)中級学習者はモダリティ表現の運用能力があまり身に付いておらず、意見述べで使用できるのは「方がいい」「べきだ」など非常に限られている。(3)上級学習者は、中級学習者よりモダリティ表現の運用能力が向上しているが、日本語母語話者が比較的よく使用する「だろう」や「のだ」などはまだ使いこなせない。(4)日本語母語話者は、台湾人学習者と比べて使用する見解動詞とモダリティ表現に多様性があり、「考える」と「だろう」の使用が目立つ。