2011年3月11日に発生した東日本大震災は、地震と津波そして原子力発電所事故という、天災と人災の両者を同時に受けたこれまでに例がない大災害であった。今回の研究では、地震発生直後の台湾の人々の日本観光への心理的影響に注目し、アンケート調査を地震発生後に行った。そして震災直後の台湾における日本旅行への関心を明らかにするとともに、今後の日本旅行への影響を考察した。調査結果では台湾住民のほとんどが東日本大震災を認識し、その後発生した福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故に対して不安を感じていることが分かった。また、日本旅行に対して安全性に疑問を持つ人々が多く、旅行に対して消極的になっていることが明らかとなった。そのため、早期の復興と正しい情報伝達が観光客の回復に重要なことであることが示唆された。