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スタディツアー型授業と学び-台日交流2010夏の事例から見えること

摘要


筆者が所属する人間環境大学と台湾の東海大学は、2006年より日台の学生が互いのキャンパスを訪問し合い,フィールドで協働学習を行う授業(スタディツアー型授業)を実施している。学生主体のこの活動では,学生は教室型の授業では体験しないであろう多くの課題に直面し,その体験を通して大きく成長する。近年このような学生主体の活動における「学び・成長」に関心が高まっては来たものの,その実態が十分に明らかにされているとは言い難い。そこで本稿では,2010年夏の活動に参加した日本人学生2名の振り返りインタビューの語りを通して,スタディツアー型授業の意義を検討した。その結果,価値観が異なる他者とのコミュニケーションの体験は,学生に葛藤と気づきの機会を提供すること,その意味で,価値観の異なる他者との意思疎通が前提となるスタディツアー型の活動は,学生の視野を広げる可能性が高いこと,努力が報われる体験よりも苦しい葛藤プロセスを持つ体験の方が学生に「学び」を感じさせること,学びのプロセスは多様であり,固有であること,などが見えてきた。今後の課題として,学生の主体性を確保しつつ学びの環境を充実させる方策,具体的には,学びのプロセスを促進させる活動のデザイン,教師の介入・支援の方法について更なる検討が必要であること,また,学びのプロセスの解明を進めていくために,多くの事例研究とその知見の蓄積が求められることが示唆された。

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