「聞き返し」ストラテジーは、コミュニケーション上の問題を解消するための方略であり、学習者が円滑にコミュニケーションを行うために必要な方略である。本稿は台湾の初級日本語教科書18冊における「聞き返し」の扱いについて、表現形式.発話機能.提示箇所の三つの視点から分析と考察を行う。分析の結果、表現形式の「統語的不特定型」や発話機能の「全体反復要求」が最も多く扱われており、「会話例(本文)」で多く提示されていた。また現在の初級教科書では、「聞き返し」が学習項目の一つとして扱われず断片的に取り上げられていることや、学習者が「聞き返し」ストラテジーを学習するのに時間を要する可能性があることが明らかになった。