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  • 學位論文

堀辰雄文學中「戀愛女性」之系譜—以「かげろふの日記」和「ほととぎす」為中心—

堀辰雄文学における「恋する女」の系譜 ―「かげろふの日記」と「ほととぎす」を中心に―

指導教授 : 山藤夏郎

摘要


鍾情於西歐文學、以新心理主義流派作家而為人所知的日本小說家堀辰雄(1904−1953),卻在1940年代前後,一連創作了四篇以日本平安時代文學為背景的「王朝小說」,其中第一篇作品〈かげろふの日記〉,正是翻案了日本最古老的女流日記,由藤原道綱母所創作的《蜻蛉日記》。不過對於這篇翻案小說,歷來的研究中卻不乏批判性的意見,其中最常受到議論的,即是堀辰雄作品與原典間的差異,以及關於女主角道綱母的性格變更,使道綱母從原典中的「激情善妒」轉為「冷淡悲觀」之形象。   另一方面,根據堀辰雄本人在創作前後留下的書信及短篇文章,可以發現他從日本古典《蜻蛉日記》的女主角身上,看見了與德語詩人里爾克在其著作《馬爾泰手記》中所稱頌的「戀愛女性」相同的特質,因此想要將古典中的道綱母,依照自己的喜好重新塑造,賦予她能夠「超越命運的永遠姿態」。   如果說堀辰雄認為在原典的道綱母身上,早已存在某種東方與西洋共通的特質,那麼他又何必改變女主角的性格?而串聯起東西方的「戀愛女性」之概念,具體而言又是指涉女性的何種人格特質、或是行為模式?本研究試圖從此二疑問出發,首先闡明最為關鍵的「戀愛女性」概念後,運用敘事學(narratology)觀點將此概念解讀為一種敘事結構,進一步探討堀辰雄如何將此結構嵌入〈かげろふの日記〉以及續篇〈ほととぎす〉當中,創作出符合堀辰雄獨自理念的作品。   作為結論,堀辰雄並不是改變了原典道綱母的性格,而是運用「日記」敘事結構的特殊性,表現出道綱母處於「邁入中年,以悲觀、冷卻心境」來回顧年輕往事的姿態,更運用受里爾克啟發的「戀愛女性」概念,進一步幫助道綱母超越己身的不幸命運,達成堀所追求的其中一項文學課題──「生總比命運還要更加偉大」。

並列摘要


堀辰雄(1904−1953)は、西欧文学に傾倒した新心理主義作家としてよく知られているが、その一方で、昭和十年代頃(1935〜1944)に、日本の王朝文学を題材とした翻案小説を相次いで発表したことでも知られる。その中の第一作にあたる「かげろふの日記」は、日本最古の女流日記として有名な『蜻蛉日記』を原典とした作品であるが、従来の先行研究の中には、堀のこの翻案作品に対し、それほど芳しくない評価を与えているものも散見される。それらの中でしばしば提起されるのは、堀作品と原典との差異についてであり、また女性主人公・道綱母の性格を「冷淡」かつ「諦観的」なものに変更したという原典改変の問題についてである。  この問題に注目した時、堀自身が執筆当時に友人と交わした書簡や、自身の創作の経緯をまとめたエッセイの存在が改めて想起される。それらでは、道綱母のような「日本の古い女」の不幸の日記から、オーストリアの詩人リルケが自身の著書、『マルテの手記』で称賛した「恋する女」と共通している特質を発見したと述べられており、堀が「僕流」の道綱母像を作り上げようとしていたこと、そして彼女に「運命を超える永遠の姿」を与えようと企てていたことがわかる。  だが、その時疑問となるのは、もし、『蜻蛉日記』の道綱母が、堀の言う通り、西洋の概念と共通する「恋する女」の性質を既に持っているのであれば、なぜその性格を改変する必要があったのか、という点である。本研究では、まず堀の創作動機となる「恋する女」という概念を明らかにすることを試みる。それが具体的にどのような条件や特質、或いは行動のパターンを有するものであるとされていたのか、その点を明瞭にした上で、「恋する女」を一種の物語構造として読み解き、堀がいかにしてその構造を「かげろふの日記」や続篇「ほととぎす」の中に組み込み、独自の理念を表現したのかを、物語論(ナラトロジー)のアプローチを用いて、考察を試みる。  結論として、本研究は、実は堀が原典『蜻蛉日記』の道綱母の性格を変えたのではなく、むしろ「日記」という形式における「語りの構造」やその仕組みを利用し、「中年に入って、悲観的になった」とされる道綱母の姿を巧妙に読者に提示し、さらにそのような道綱母を、「恋する女」の発展構造にそって、最終的に不幸な運命を「超越」させることを試みたのだと主張する。堀流の「恋する女」へと生まれ変わった道綱母と共に、堀の一つの文学的課題――「常にわれわれの生はわれわれの運命より以上のものである」という主題も、ここに完成を迎えることとなったのである。

並列關鍵字

堀辰雄 蜻蛉日記 リルケ 恋する女 物語論 恋愛観

參考文獻


【テキスト・堀辰雄作品】
1. 堀辰雄(1930→1977)「死の素描」『堀辰雄全集 第一巻』筑摩書房
2. 堀辰雄(1930→1977)「聖家族」『堀辰雄全集 第一巻』筑摩書房
3. 堀辰雄(1934→1977)「物語の女」『堀辰雄全集 第一巻』筑摩書房
4. 堀辰雄(1934→1977)「小説のことなど」『堀辰雄全集 第三巻』筑摩書房

延伸閱讀