外国語教育の始まりは「発音」である。それに応じた教材の編成・逮択が大変重要な課題であると思われる。そこで、本稿は2008年から2012年にかけて、台湾で出版された日本語音声教材における「学習項目」及び「提出順序」を考察した。その結果、調査対象は、「学習項目」では、「単音レベル」の課題に偏るのに対し、談話に関わる「韻律レベル」と「その他の項目(縮約形など)」の課題に言及したものは少ないことがわかった。また、「提出順序」では、単音レベルから韻律レベル-導入するものが多い。しかし、理想的な音声教材として、最低限「単音レベル」と「韻律レベル」の学習項目を敬り入れる必要があると思われる。一方、音声教育を行う上で、その提出順序は必ずしも段階的ではなく、両項目を同時に導入する可能性もある。